IoTについて その3(開発コスト)

IoTを使って何かを実現したいと思ったときにどのようなコストが掛かるでしょうか。必要なコストとしては開発コスト(初期コスト)と量産コストに分かれます。

開発コストは企画~調査~設計~プロトタイプ開発~初期評価など、量産までに掛かるコストになります。主にハードウェアエンジニアとソフトエンジニアが業務を担当します。大きな会社ではそれぞれ専任のスタッフが対応しますが、私たちでは一人のエキスパートが対応させて頂きます。おおよそエンジニアが1ヶ月稼働すると100万円掛かるのが相場と思います。

大手企業様で開発される場合、企画検討~プロトタイプ開発にエンジニア2人を付けて6ヶ月で1,200万円というコスト提示は普通ではないかと思います。このコストには何か事故があった時の手厚い対応と保証(と固定費)が暗黙に含まれていますので、用途によっては高いとは言えないと思います。

私たちでお手伝いさせて頂く場合はその1/3~1/2(400万~600万円)が相場になると考えます。プロトタイプまでは既存品の流用やAWS/Azureなどのクラウドの活用を行い、極力コストを抑えたご提案をさせて頂きます。

もちろん、上記のような規模ではなく既存技術を利用した簡易なIoT開発では10万円台から対応させて頂いております。

例えば、SORACOMさんの提供されている簡易キット(SOROCOMストア)を使って、遠隔地のセンシングを行ないログやスマホに通知するなどの例であれば10万円程度で実現することが可能です(実費別途)。

IoTについて その2 (Arduino/RaspBerryPi)

IoTという言葉が広く使われるようになったのは、マイコンボードの標準化も一つのきっかけになっているのではないでしょうか。

マイコンボードは文字通りマイコン(マイクロコンピューター)が載っているボード(基板)で、プログラムによっていろいろな制御を行うものです。

マイコンボードは洗濯機や電子レンジ、テレビのリモコンなどいたるところに使われていて、暮らしを便利にしてくれています。ただ、これらは使われる家電製品に向けて専用に作られているので、他の用途には使えません。

マイコンのプログラムを作ることでいろいろな用途に使える汎用のマイコンボードが昔から売られていました。ただ、これらは独自設計になっていたため広く使われることはありませんでした。そのためプログラムやハードウェアの資産が蓄積されることがなく、毎回ゼロから開発するしかなく、開発費も高く、量産効果も出ない状況が続きました。

そのような中で、2つの標準的なマイコンボードが生まれ普及してきました。

【Arudino】アルディーノ
2005年にイタリアで始まったプロジェクトから生まれた開発環境とマイコンボードです。
昔ながらの8/16bitマイコンを使っていてOSはありません。プログラムはC言語で記述します。OSがないためCPU資源をプログラマが全て管理でき、マイクロ秒単位のリアルタイム制御が可能になります。CPU性能が高くないため複雑な処理は困難です。
価格は1,500円~3,000円程度です。

【RaspBerryPi】ラズベリーパイ
2010年代に販売されたModelAから機能強化が続けられているマイコンボードです。標準でLinux系のOSが準備されています。OSが搭載されているため完全なリアルタイム制御には不向きですが、CPU性能が比較的高いため、パソコンに近い複雑な制御を行えます。
価格は7,000円前後です。

両者とも大きさやコネクタの配置がある程度標準化されているため、取り付ける周辺回路も豊富に販売されています。このため、実現しようとする機能を市販品で賄えることも多々あり、プロトタイプを短期間で安価に実現することが可能になります。

但し、耐ノイズ性能をはじめとする環境性能や機械的強度については保証がされないため、実運用についてはしっかりとした技術検証や、各種対策、製品用の基板の開発も検討が必要となります。

私たちWayGoではIoTなどハードウェアを利用した商品開発にも対応して参ります。

IoT(あいおーてぃ)について その1

IoTという言葉を耳にするようになりました。「Internet of Things」のことだよと言われても更にわからなくなりますね。直訳するとインターネット物(もの)でしょうか。専門家は別として、この言葉を聞いてはっきりと理解できる人は少ない様に思います。そんなとき、IoTの反対語から考えると分かりやすいかもしれません。

では、反対語は何でしょうか。元々インターネットはコンピューター同士をつないで情報をやりとりするために発達してきました。スマホもコンピューターですので、スマホ同士でメールを送ったり、パソコンからスマホにメールを送ったり。銀行などが使っている大きなコンピューターとATMをつないでいるのも今はインターネットです。こういった使い方は当たり前なのでIoTのような特定の名前はついていないようです。

これに対して世の中の物理的な「物」や「状態」とコンピュータをネットワークでつなぐことをIoTと呼ぶようです。例えば、ホームエレクトロニクスといって、センサーや家電をインターネットにつないで便利にするようなこともIoTと呼んでいますね。実は昔からやってきていることではあるのですが(Wikipediaなどによると1999年に初めてIoTという言葉が使われたようです)。よく耳にするようになったのは、技術が発展してきて使いやすくなり、応用した商品や事業が増えてきたためと思われます。この言葉の使い方は広い意味でのIoTとなります。

最近よく使われるもう少し狭い意味(定義)では、センサーやモーターを小型のコンピューターを介してネットワーク(やコンピュータ)につないで自動化などを行うことを指すようです。水分量を計りながら庭の植木鉢の水やりを自動化するとか、電気のスマートメーター、自動販売機の欠品検出、工場での生産実績収集、等実は昔からやっていたことを最近はIoTと呼ぶことが多いようです。

試作のハード開発で数百万円、ソフト開発も数百万円掛かっていたようなことが、今はハード数万、ソフト開発も簡単なプロトタイプまでなら数十万円で一通りできるようになりました。もちろん人命や財産に関わるものには別途本格的な開発が必要ですが。

低価格なだけでなく納期もとても短くなりました。ハードウェアやソフトウェアのライブラリ化(あらかじめ作っておいて組み合わせる作り方)が発達してきた恩恵です。

従来はコストや納期であきらめていたことも容易に試すことができるようになり、用途も広がるというマーケットの拡大が起きるようになっています。より身近にコンピュータやネットワークが使われる時代になりそうです。

私たちWayGoでもIoTを活用したプロトタイプ開発などを請け負っておりますので、気軽にお声がけ下さい.